いわ旅行記
写真で語る旅行記、地図付き。
2010年08月28日(土)~08月29日(日)
東京に居るうちに行ってみなければいけないところ・・
あそこと、あそこと・・
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羽黒山/出羽三山 その3
「湯殿山」「月山」と参拝したら、次は出羽三山の残り一つ「羽黒山」
なのであるが、その前に「出羽三山神社」?
11:23
バスは、有名な羽黒山五重塔の入口下を何故か通り過ぎて
山を登り、山頂のような場所の大きな駐車場に着いた。
出羽三山神社案内図を見ると、「三神合祭殿」と書いてある。
つまり、本殿を持たない?「湯殿山」山自体が本殿?「月山」を合わせて、
ここに祭ってあるようだ。
ここにも松尾芭蕉像がある。
11:26
芭蕉像の隣には立派な句碑。
なんと書いてあるのか良く分からないが、
調べてみたら下記のように書いてあるようだ。
「凉しさや ほの三日月の 羽黒山」
「加多羅禮努 湯登廼仁奴良須 當毛東迦那」
「雲の峯 いくつくつれて 月の山」
特に真ん中が、呪文?お経?俳句なのか?
という疑問だらけのモノだが…
「語られぬ 湯殿にぬらす 袂かな 」
という湯殿山で詠まれた句らしい。
「語るなかれ」に配慮して分かりにくくしたのか?
羽黒山、湯殿山、月山の三か所で詠まれた句を何故ここにまとめたのか?
合祭殿だから俳句も合わせてしまったのか?
岩波文庫「おくのほそ道 杉浦正一郎校註」より引用
改めて「おくのほそ道」を読んでみると、
芭蕉翁が実際にこの三句をまとめて短冊に書いたらしく、
しかも、その短冊が現存すると言う。
その短冊をそのまま石碑にしたのかどうかは定かでないが、
いずれにしても凄いモノだ。
それから、芭蕉翁は月山山頂まで(当然歩いて)登ったという事実も判明した。
登ったのは現在の暦で7月22日。夏だ!
まあ、「涼しさや」とあるように、昔は温暖化が進んでいなかったし
熱中症の恐れもなかったんだろう…
ともかく出羽三山三神合祭殿へお参りしよう。
11:32
ここは撮影禁止とは書いてなかったので、しっかり深々とお参りした後
写真を撮らせていただいた。
ところで三神とは言いながらも実はここには、
天照大神の弟神の月読命(つきよみのみこと)をはじめとする
神話上の神様たちだけでなく、山自体も神様であり、
田の神様、海の神様などなど‥八百万の神様が祭られているらしい。
ありがたや ありがたや
11:37
お参りを終えて出る時に、何か鋭い視線を感じた。
眼光鋭い力士像が4人で屋根を支え、神様を守っているらしい。
だが‥力士像というのは、東大寺南大門にある金剛力士像のように、
本来は仏様・寺院を守るもののようだが…
11:39
神様・神社を守るものは狛犬…
狛犬も居る!
そういえば、さっき素通りしてきた(この後行く予定の)羽黒山五重塔も
本来は仏塔だ。
謎はこのあと明らかになる…か?
11:46
バスで下へ降りる前に、本来の登山道である石段上部を見学。
下の随神門からここまで約2km、2,446段の石段が有るという。
これは石段の段数日本一だ!
ちなみに2位は
金比羅山奥宮までの1,368段
3位は
京都伏見稲荷の1,276段。
その次くらいに我らの
久能山東照宮。
…のはずであったが、実は最近1位に登ってきたのが
熊本県の「釈迦院」その数、驚きの3,333段らしい。
これも行ってみなければ。
11:50
バスで随神門まで降りてきた。
12:29
鳥居をくぐり、随神門をくぐって境内に入って行く。
いよいよ日本一の階段の始まりか…
12:30
‥と思ったら、下り階段だ!
かなり長い下り階段が続いている。
12:32
…2,446段の石段というのは、下りも含めてなのか?
と考えているうちに下りは終わり、小さな滝が見えてきた。
須賀の滝だ。
手前に杉の木が並び立っていて、ちょっと面白い。
「須賀の滝」と言うより「杉の滝」の方が良いのに…
12:36
杉の滝を過ぎると、杉の木立ちの合間から有名な五重塔と
「爺杉」が見えてきた。
12:39
爺杉は樹齢約1千年以上と書いてある。
なるほど、たいしたモノだ。
もっと近づいて幹に触ってみたいけれど、
立入禁止なのが残念。
だが…なんとなく綺麗過ぎるというか、爺には見えないというか…
「約1千年以上」?
表記の仕方が自信なさそうだし‥
だが、しかし!
爺杉の向こうに見えるモノは凄い!
12:40
爺杉から一旦参道に戻って、五重塔入口まで回り込んできた。
12:42
この五重塔は高さ29m。
他の五重塔と比べても大きくはない。
しかし、風格漂う姿は素晴らしい。
杉林の中に立つ姿、色が塗られていない木肌がまたイイ!
やっぱり正面からよりも、
杉木立ちの間から見た方がイイ!
ところで、ここは出羽三山神社。
この五重塔には大国主命が祀られているという...
そう、ここは昔、神仏習合時代の名残りを多く残す珍しい?場所だった。
‥いや、そんなに珍しくもない?
日光東照宮も鳥居のすぐ隣に五重塔が有ったりするし…
参考に‥というより備忘録として、日光東照宮と輪王寺を訪問した時の考察を
ここにも記しておく。
「…ところで、この鳴龍は実は東照宮のものではなくて輪王寺のものだと言うことを後から知った。
そういえば確かに拍子木を打って龍を鳴かせてくれる人は、お坊さんの格好をしていた…
明治の神仏分離令によって輪王寺と東照宮は分離させられたらしいけれど、神仏分離令って何?
調べれば調べるほど…神道って何?..神様って?仏様って?更には八百万の神々?
自然のモノには全て神様が宿る‥山岳信仰、滝なんかはなんとなく分かる気がする。
火の神様もまあ分かる、家の台所にも秋葉山の御札が昔から貼ってある。
しかし、我が家では数年前からガスコンロは廃止、電化されて火は使っていない…
そういえば更に昔、某工場の仕事をしていた時、年に一度火の神様の祀りが有って、
ボイラー係の人たちは神主さんを呼んでお祀りし、お神酒を飲んで…そのまま午後はボイラー室宴会に突入していた。
それを毎年見ている電気係の人が『いいな~~…なんで電気の神様は居ないんだ??』
教会は結婚式の時にお世話になるし、お寺や神社は良く行って御参りするし、お墓はお寺に有るし仏壇も家に有るし神棚も家に有る…
…まあいいや、ともかく全部ひっくるめて八百万+α(8,000,800くらい?)の神として拝めばヨシ!と…」
五重塔に祀られた大国主命をはじめとする8,000,800の神仏を拝んで帰り道。
けっこうな登り階段をボチボチ戻って行く。
そうそう!2,446段の石段というのは、この逆向きの階段は含まれないらしい。
さっきの五重塔から三神合祭殿へ向かって「一の坂」「二の坂」「三の坂」
と続く登り石段が合計2,446段と言う事のようだ。
12:52
これで、「西の伊勢参り」に「東の奥参り」と云われる由緒正しき
(かつ難解な)参拝を済ませ、暑い東京へ戻る。
でも、ここ山形県も31℃だ…
14:40