蒸した米は一旦冷まされる。
昔は、甑から取り出して「放冷」する、この作業が一番たいへんだったらしい。
次は、出来上がった米麹に更に蒸米を混ぜ、ていねいにすりつぶす。
「山卸し」と言って、これまたたいへんな作業だったらしい。
それから、時間を掛けて天然の乳酸菌が育つのを待ちながら、酵母を加えて酒母を造る。
これが昔ながらの生もと造りという製法で、濃醇な酒ができると言う。
今では、人工の乳酸を加えて2週間でできる速醸もと製法が主流で、こっちは淡麗な酒ができるらしい。
その中間が、近年有名になってきた「山廃造り」
山卸し作業を廃止して、代わりに麹を水に浸漬して酵素ができた液を蒸米に掛け回す事で、すりつぶすのと同様の効果を得ているという。
う~ん、難しい。
まだまだ研究が必要だ。
酒母ができたら、ここからが日本酒独特の並行複発酵の始まり。
吟醸酒というのが一般に売られるようになったのは、割と新しくて、昭和50年頃。
吟醸造りは、もろみ造りの時の温度管理が重要だ。
ここでは、昔よりも時間を掛けて低温でゆっくりと発酵を進めるのがイイらしい。
あれが「ふなぐち」か…
う~ん、この「金陵」のふなぐち搾りたてを飲んでみたい。
…も、もちろん、研究のために。
ここでも、もちろん試飲はできる。
しかし、きょうはここで泊まりじゃないので、一番大事な試飲研究ができない…
残念だが小瓶を二つ買って帰ろう。