いわ旅行記
写真で語る旅行記、地図付き。
2018年11月15日(木)~16日(金)
今年も暑くて長い夏がやっと終わった…
いよいよ紅葉の季節である。
近年、紅葉の観測がますます難しくなってきており、
調査地点・時期の選定には、より一層の慎重さが求められる。
そんな中、事前調査に万全を期した調査団は山梨県へ向かった。
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忍野八海/山梨その6
次は、今まで通り過ぎた事だけしかなかった忍野八海。
駐車場を探しながらちょっとウロウロして、やっと無人有料駐車場を発見。
11:53
料金箱に300円を投入。
案内図が置いてあったので1枚もらって、天然水湧水状況の調査開始。
しかし、駐車場に置いてあった案内図は単純化しすぎてあって、とっても分かりにくい。
忍野八海入口の看板を見て、やっと概要が判明した。
まずは、一番近い「菖蒲池」へ。
11:54
ちなみに、あとで忍野村観光協会でもらった案内図は更に分かりやすい。
これを、各駐車場にも置いといてもらいたいものだ。
忍野八海は、その名のとおり八つの海(池)が有る。
…が、実はもう少し複雑だった。
これが駐車場から一番近い「菖蒲池」
11:58
しかし、菖蒲はほとんど見られない…
よく見ると、「かつてショウブが自生していた…」
と書いてある。
ふ~ん
二つ目は「鏡池」
12:02
富士山を鏡のように映す池だ。
ちょうど、山頂部の雲が取れて来て、イイ感じ。
だが、しかし…
さっきの「菖蒲池」も、この「鏡池」も、水が綺麗だとは言い難い。
いや、水は綺麗なのかもしれないが、湧き出ている様子もないし、底に泥が堆積して淀んだ感じがする。
有名な忍野八海も綺麗だったのは昔の話なのか…
と、ちょっと残念な気持ちで次へ進むと、写真で良く見る光景が出現。
確かに風景は素晴らしい。
12:05
でも、水がなー…
…と思いながら近づいていくと…
!!!
凄い!!
綺麗だ!!
ここは、ちゃんと綺麗な水が湧いている!
この池は、売店オーナーが所有しているらしく、売店の中を通らないと入って行けない。
でも、入場料を取るわけでもなく、逆に試食サービスが有ったりして良心的だ。
池の淵に立つと、結構深い底までクッキリと見透せて足がすくむ感じがする。
この湧き水を飲めるようになっていて、恐る恐る飲んでみた。
けっこう冷たくて、まあ美味い…というか普通の水だ。
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前にも、福島で
モンドセレクション金賞の水を飲んだり…
日光で
イマイチの水を飲んだり、黒部ダムの湧き水を飲んだり…
日本最北の清酒醸造所増毛「國稀」の仕込み水や、札幌「千歳鶴」の仕込み水や…旭川の「男山」「国士無双」‥夕張の「北の錦」……以下省略
…してきたが、利き酒もままならない調査団にとって、利き水は至難の技である事が良く分かった。
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ところで、さっきの綺麗な池が案内図の場所的にも「湧池」だろうと思っていた調査団であったが、少し進んだ別のところで「湧池」の看板を発見。
12:30
こっちが「湧池」か!
じゃあ、さっきの池は?
良く案内図を見ると、「中池(個人所有)」と書いてあった。
なるほど、個人所有だから「八海」の仲間に入れてもらえないのか…?
ともかく「湧池」も、「中池」と同じくらい綺麗で、透き通った深い底から水が湧き出ている。
「湧池」を通り過ぎたところで、いいにおいが漂ってきた。
高尾山や身延山でも食べた、美味さには定評のある「三福だんご」だ。
しかも、ここには「くるみ味噌味」なんてのが有る。
これはもう食べるしかない!
しょうゆ味とくるみ味噌味を1本づつ買って歩きながら食べた。
どちらも超ウマい。
12:35
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実は、ここへ来る途中に久しぶりの「吉田うどん」を食べようと思って、「
はなや」へ寄ろうとしたけれど、大きな看板が無くなっていて、どうやら廃業してしまったらしい。
いや~残念だ。
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次は「銚子池」
これは「菖蒲池」や「鏡池」と似ていて、綺麗な水が湧いている様子は見えない。
「湧池」の向かい側から、この「銚子池」の回りまでは、民間有料施設「榛の木林資料館」で、高い柵に囲われていて入る事ができない。
(もちろん入場料を払えば良いんだけれど…)
しかし、この「銚子池」だけは柵がぐるっと凹んで迂回していて外から見る事ができる。
国指定天然記念物・世界文化遺産「八海」の一つだから、個人が独占できないからだろうか?
と思ったけど、実はこの柵の中にもう一つ「八海」の仲間である「底抜池」が有って、これは外からは見られない。
個人所有となっている?
いや、でも「榛の木林資料館」の柵の中には「鯉池」というのも有って、こっちは「八海」の仲間ではなく「個人所有」とはっきり書いてあって、「底抜池」は個人の敷地内に独占されているけど、個人所有とは書いてない…
調べてみたら、「中池」や「鯉池」は、自然にできた池ではなくて個人が人工的に掘って作られたモノだった。
個人が作ったモノは当然天然記念物ではなくて「個人所有」。
自然にできた池は、個人の敷地内に有っても国の天然記念物に指定されているから「個人所有」と堂々とは書けないようだ。
12:54
「銚子池」をぐるっと一周して、その先の川を渡ると「お釜池」
12:58
ここは、小さいけれど深い底から綺麗な水がたくさん湧いていて‥
湧き出た水が綺麗な小川になって、どんどん流れ出ている。
なんとかバイカモみたいなヤツがたなびいて、ミニ柿田川みたいなイイ雰囲気だ。
最後に「濁池」。
これは池というより川の一部みたいで、池の輪郭がはっきりしない。
この池から湧き出た水なのか良く分からないが、大量の水が流れていてとても綺麗だ。
13:06
八海のうち、有料の「底抜池」と、無料だけどちょっと遠い「出口池」は見ていないが、皮肉な事に八海の仲間ではない人工の「中池」が一番良かった…
自然保護の難しさというか、湧き水が枯れるのも自然なのかもしれないし…景観と自然のマッチングについて考えさせられる調査であった。
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参考:以前にも景観と自然について考えさせられた大沢崩れ。
他にも
トドワラ
など…
まだまだ調査が必要だ。
つづく…