温泉博士の部屋 「温泉の文化棟」の研究を一旦終えて、「温泉の科学棟」へ移る前に間にある「温泉博士の部屋」を見学。
09:40
温泉博士の部屋 ここも狭い部屋ではあるが、興味深い展示が山積みだ。
各種温泉ランキングを見ると、我らの静岡県も健闘しているが、やっぱり大分県が圧倒的だ。
我々調査団は、これらの資料を慎重に検討した結果、次回調査は大分県とする事を決定したのであった。
温泉博士の部屋 机の上には、地元小中学生の温泉に関する研究成果が並んでいる。
最優秀賞は、中学1年生の「温泉地に見られる棚田状石灰華は、どのようにしてできるのか」であった。
温泉博士の部屋 しかし、調査団的には小学2年生の優秀賞
「ぼくのだいすきなおんせんのぱわーのけんきゅう」に感動した。
しかも、この研究は
「ぞく ぼくの大すきなおんせんのパワーのけんきゅう」
「ぞくぞく ぼくの大好きな温泉のパワーのけんきゅう」と続いている!
…と、良く見たら小学生も中学生も全部同じ子だ!
温泉博士というのは、この子の事だったらしい。
もっと時間を掛けて、じっくり読んでくれば良かった。
我々の研究も負けないようにしなければ…
「ぼくのだいすきなおさけのぱわーのけんきゅう」も忘れずに…
温泉の科学 続いて「温泉の科学」に関する研究に移る。
09:45
温泉が湧き出すしくみ 温泉が湧き出すしくみ
右が「火山性の温泉が湧き出すしくみ」
左が「非火山性の温泉が湧き出すしくみ」
なんとなく分かっていたつもりだったが、改めて見てみると非常に興味深く、面白い。
非火山性の温泉が湧き出すしくみ 特に「非火山性の温泉が湧き出すしくみ」を見ると、最近の新しい温泉が何故1,000m以上も深く掘っているのかがよく分かった。
温泉と療養泉の違い 「温泉と療養泉の違い」
なるほど~療養泉というのはありがたいものだ。
ただ、これらはどれか一つ条件を満たせば良いので、成分がほとんど含まれなくても25℃以上であれば療養泉(単純温泉)と認められる。
温泉の成分温泉の分類 だから単純温泉は成分の少ない単なる湯、質の低い温泉だと誤解されやすい。
しかし単純温泉とは、成分の種類について規定したものではなく、個々の泉質は多岐にわたるため単純な比較・分類はできない。
確かに、中には普通の沸かし湯と同等のような単純温泉もあるらしいが…
微量成分の組成比によって、各種泉質の性質を帯びることもあるし、様々な成分を少量ずつ含んだバランスの良い泉質となっているものもある。
温泉の成分温泉の分類 いやはや温泉は奥が深い。
お酒の成分についても奥が深いので、これはまた別の機会に…
温泉博物館 成分分析体験コーナーも有るし‥
温泉博物館 それぞれの泉質ごとに、湯のサンプルや各種資料が詰まったロッカーが並んでいて、該当する代表的な各地の温泉が書いてある。
じっくり見てみると、まだまだ未調査の温泉が多い…先は長いぞ。
我々の調査済み温泉地は「単純温泉」では、ここ下呂温泉の他に
青森県古牧温泉や、 三重県榊原温泉など、確かに名湯が多い。
「二酸化炭素泉」では、なんと言っても日本一(調査団調べ)の 大分県長湯温泉
「炭酸水素塩泉」は、我々調査団の中でブームになっているツルツル温泉が多く、我らの 静岡県湯ノ島温泉 和歌山県龍神温泉が該当する。
温泉博物館 「塩化物泉」は我らが誇る日本一の 静岡県熱海温泉
(しかし、熱海温泉だけでも源泉が多数有り調査は不足している。)
他にもたくさん有るが、記憶に残っているのは 北海道釧路温泉
「硫酸塩泉」は、分類が難しいが 岐阜県濁河温泉 新潟県燕温泉が該当するようだ。
「含鉄泉」は更に分類が難しく、 兵庫県有馬温泉と、 青森県酸ヶ湯温泉は「含鉄・」と書いてあるから間違いないとして、 青森県黄金崎不老ふ死温泉 は「含鉄・」とは書いてないが、鉄分は20mg以上含まれているから該当するようだ。
しかし、 群馬県伊香保温泉は見るからに鉄分の温泉だし「含鉄泉」の代表格のように紹介されているところも有るが、現在の成分表では20mgに達していないためか「含鉄・」とは書いてない。
温泉博物館 「硫黄泉」は、またたくさん有り、 北海道登別温泉のいくつかの源泉や 群馬県草津温泉などであるが、未調査や調査不足地が多い…
「硫黄泉硫化水素型」は、上記同様、登別温泉のいくつかの源泉に加え、 長野県白骨温泉が「含硫黄・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩温泉(硫化水素型)」と書いてあって、コレに該当するらしい。
「酸性泉」は、登別、酸ヶ湯、草津、などの他、 北海道吹上温泉(十勝岳温泉)や 北海道ニセコ五色温泉が該当する。
最後に「放射能泉」。
1番有名なのは鳥取県三朝温泉であるが未調査。
調査済みでは 有馬温泉の銀泉の一部が該当。
「弱放射能泉」は 三重県湯の山温泉 高知県あしずり温泉など。
「ほくのだいすきなおんせんのぱわーのけんきゅう」に負けないように、まだまだ継続調査が必要だ。
参考:
地球環境調査団の温泉に関する歴史的文化的科学的調査
下呂温泉成分表 一通り研究が終わると、出口付近に足湯があるので実物の温泉を体感調査できる。
ここは、やっぱり集中管理された温泉を引いているようだ。
温泉博物館足湯 入ってみると、超ツルツル!
大江戸温泉物語の湯も良かったが、こっちの方が更に上のように感じる。
09:54
温泉博物館 博物館の売店では興味深い資料を販売していた。
日本温泉地域資産 中でもこの「新版 日本温泉地域資産」が気に入って購入してきた。
日本温泉地域資産 この「まえがき」に有るように、今までにも「温泉遺産」とか「温泉ランキング」などが多く発行されてきたが、それらの実体は温泉宿などの宣伝になってしまっていた。という事は我々調査団も感じていた。
そこで、この商業的マーケティング優先のモノではなく、日本温泉地域学会が科学的客観的に選定した。というトコロに共感したからである。
日本温泉地域資産 今までに第一次と第二次の選定が行われ、合わせて150件が選定されている。
しかし、我らの静岡県中部に選定案件が無いのが残念だ。
引き続き、第三次、第四次と選定をお願いしたいものだ。
巌立峡 次に来たのは、下呂から少し北上した「巌立峡」。
10:43
巌立峡 宿に置いてあった観光案内を見て、面白そ…
いや、現在も途中の 日本三大巨岩に関する調査の参考として来たものだ。
巌立峡 「巌立」は確かに立派だ。
だが、高さ72m、幅120mの「巌立」は、調査済みの
和歌山「古座の一枚岩」高さ180m幅、800m
佐渡「大野亀」高さ167m と比べてしまうと、やや見劣りする。
ここは、巨岩、一枚岩というよりも、御嶽山から流れ出た溶岩流の断面という事で、柱状節理などが貴重なモノらしい。
巌立岩 駐車場から奥の方へ遊歩道が延びていて、滝や岩がたくさん見られるらしいが、あいにく雨だし、駐車場は無料でも遊歩道に入るには入場料(協力金)も取られるし…
結局、ここでUターン…

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